Phenom XL
アメリカ:サーモフィッシャーサイエンティフィック社
大きい試料室で「もっと測りたい」を叶える多才なモデル
「高画質」、「優れた操作性」、「多彩な解析機能」はそのまま。
大きな試料室、安定した自動ステージを採用し、従来の卓上SEMでは難しかった多彩なアプリケーションに対応します。
特徴
多彩なホルダで広がるアプリケーション
試料サイズ XL
最大100×100 mm
卓上SEM最大100×100 mmまでの試料をセットできます。金属や製品などサイズの加工が難しい試料やそのまま観察したい試料に有効です。
試料数 XL
最大36個
最大36個の試料を一度に監察可能です。
多検体試料の観察や測定を自動化できます。
アプリケーション XL
傾斜・回転、引張・圧縮、自動化
試料を自由自在に傾斜・回転させて観察したり、引張・圧縮しながら観察できます。
自由自在に傾斜・回転
ユーセントリック試料ホルダ
- 傾斜・回転による視野のずれやフォーカスのずれを抑え、観察位置を見失うことがありません。
- 傾斜・回転の様子をモニターで常に確認可能
引張・圧縮しながら観察
引張試料ホルダ
- 試料に引張または圧縮の力を加えながら、形状変化をin-situリアルタイム観察
- 伸びと荷重をグラフで表示
複数試料を一度にセット
フィルタ試料インサート
- アスベスト等を捕集したフィルタを複数セット可能
- フィルタサイズに応じて2タイプ
– 25 mm径フィルタ x 9枚セット
– 47 mm径フィルタ x 4枚セット
樹脂包埋試料インサート
- 樹脂に包埋した試料を複数セット可能
- 試料サイズに応じて3タイプ
– 25 mm径試料 x 9個セット
– 32 mm径試料 x 6個セット
– 40 mm径試料 x 4個セット
カスタムソフトで自動化をサポート
多検体の自動画像取得
SmartScan
- 最大36試料のSEM像を自動で取得
- 倍率、画像数、オートフォーカス機能などの条件は、試料毎に設定可能
- 取得したSEM像は、目的に合わせて輝度、コントラストの調整が可能
深度合成
Ultra Depth of Focus
- 画像を深さ方向で連続取得
- 視野全体にフォーカスのあった“超焦点深度”の画像を構築
- 高低差のある試料も、美しく
コーティング膜の自動評価
Phenom Coating Inspector
- 自動で反射電子像を取得
- コントラストを利用して膜の被覆率を算出
- 広い領域で解析、品質の合否判定、レポート作成
CeB6をもっと美しく
高画質観察を叶える、高輝度・長寿命のCeB6電子銃を採用。
圧倒的な美しさを大画面フルスクリーンで体感できます。
反射電子像
高倍率で鮮明な反射電子像の観察が可能です。
チャージしやすい非導電性試料もコーティング無しで高画質観察が可能です。
二次電子像(オプション)
高感度二次電子検出器を使用しており、高倍率で高精細な二次電子像の観察が可能です。サブミクロン粒子や材料表面の微細構造も捉えることが可能です。
高輝度・長寿命のCeB6電子銃を採用
卓上SEMでは唯一、高画質観察が可能なCeB6(六ホウ化セリウム)電子銃を採用しています。
特長
- 輝度が高く、ビーム径が細い。
- 寿命が長い。(約1,500時間)
観察条件を自由自在に設定
サンプルや観察目的に応じて加速電圧や電流値等の観察条件を設定可能です。
- 加速電圧:5 kV、10 kV、15 kV(アドバンス:4.8~20.5 kV)
- スポットサイズ:4段階(アドバンス:カスタム設定)
- 低エミッション電流モード
例:ステンレスに付着した異物 表面に付着した有機物は5 kVでは確認可能ですが、15 kVでは電子ビームの潜り込みが深いため確認できません。
反射電子像+二次電子像をMix
試料の「組成情報」と「表面の微細な凹凸」を同時に観察できます。
反射電子像、二次電子像、Mix像の切り替えはワンクリックで可能です。
革新的なユーザーインターフェースで、もっと速く、もっとスマートに
ユーザーインターフェースが新しく生まれ変わりました。
試料導入から僅か30秒でSEM像を表示、そのままバリアフリーで分析へ。
ナビゲーションシステムで 「迷わない」
観察位置を常に確認でき、迷いません。
自動ステージで 「瞬時に移動」
画面をワンクリックするだけで次の観察位置へ移動できます。
リビジット機能で 「すぐ戻れる」
気になる場所を登録、戻って再観察、再分析が可能です。
測定の流れ
観察からそのままEDS元素分析へ
CeB6だから、高感度分析が可能です。
LiveEDS “探しモノ”が必ず見つかる
観察時に、ワンクリックで気になった箇所のEDSスペクトルと検出元素を表示します。
点分析だからこそ、エリア全体のスペクトルでは埋もれてしまう微量成分も見逃しません。
“探しモノ”を瞬時に見つけ出すことができます。
点分析、ライン分析、マッピング
自動で定性・定量分析
スペクトルから自動でピークを検出し、定性分析、定量分析を行うことができます。ピークが重なる元素も自動で分離します。
直感操作でレポート作成まで
分析の経験に関係なく、解析からレポート作成までを簡単に行うことができます。
加速電圧20 kVに対応
15 kVに加えて、より高加速電圧が必要な分析にも対応します。
右のスペクトルは、鉛(Pb)を15 kVと20 kVで分析した例です。
結果の酸化物換算表示
検出された元素を酸化物に換算して表示することができます。
スペクトルの重ね合わせ・差スペクトルの表示
検出された元素を酸化物に換算して表示することができます。
観察+α、解析ソフトウェア
数値で評価したい!を叶えます。CeB6だから、サブミクロンレベルの粒子や繊維の解析が可能です。
- 粒子解析
- 細孔解析
- 繊維径、隙間面積
- 3D画像の構築、粗さ計測
- 自動画像マッピング
仕様
Phenom XL | ||
電子銃 | CeB6電子銃 | |
分解能 | 反射電子 | 10 nm |
二次電子(オプション) | 10 nm | |
光学ナビゲーション倍率 | 3 ~ 16 倍(カラー) | |
電子顕微鏡倍率 | 160 ~ 200,000 倍 | |
デジタルズーム | 12 倍 | |
加速電圧 | 5 kV、10 kV、15 kV(アドバンスモード:4.8 kV ~ 20.5 kV) | |
反射電子検出器 | 標準 | |
二次電子検出器 | オプション | |
EDS元素分析 | オプション | |
画像保存形式 | JPEG、 TIFF、 PNG | |
自動ステージ | コンピュータ制御モーター駆動 XY ステージ | |
試料サイズ | 100 × 100 mm (12.5 mmのピンスタブが最大36個)、 高さ : 40 mm | |
走査範囲 | 標準:50 × 50 mm、オプション:100 × 100 mm | |
寸法、重量 | 顕微鏡本体 | 316(W) × 587(D) × 625(H)mm、 75 kg |
真空ポンプ | 145(W) × 220(D) × 213(H)mm、 4.5 kg | |
電源ボックス | 260(W) × 300(D) × 80(H)mm、 2 kg | |
PC | 92.5(W) × 305.6(D) × 343.5(H)mm、 8 kg | |
モニタ | 531.5(W) × 250(D) × 515.4(H)mm、 6.7 kg | |
電源 | 単相 AC 100 V、 50 / 60 Hz、 最大 348 W | |
解析ソフトウェア | 標準 | 自動画像マッピング |
オプション | パーティクルメトリックソフトウェア(粒子解析、細孔解析)、 ファイバーメトリックソフトウェア(繊維解析)、 3Dラフネスソフトウェア(3D画像の構築、粗さ計測) |
観察例
アプリケーションノート
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APPLICATION NOTE
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Application(webページ)
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リチウムイオン電池材料の品質管理 NCM粉末の異物解析および均質性評価
Application(webページ)
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チタン-マグネシウム複合処理鋼の介在物分析
APPLICATION NOTE
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リチウムイオン電池の研究・開発におけるPhenom XL アルゴン対応卓上SEMの有効性
APPLICATION NOTE
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鋼材の自動介在物解析・清浄度解析
Application(webページ)
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自動車部品の清浄度検査
Application(webページ)
ウェビナー情報
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自動粒子解析SEM Phenom ParticleX ウェビナーシリーズ第5弾 鉄鋼の自動介在物評価
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最適なサンプル準備方法、解析、レポート出力の特徴と流れを説明します。